メガネをかけているせいか、第一印象は「真面目でしっかりしていそう」という感想を抱かれることが多い。まあ、それなりに真面目に生きてきたつもりではあるけれど、しっかりしているというのは残念ながら外れている。小さい時から両親には、「ぼんやりしない！」とか「しっかりしなさい！」とか何度言われてきたかわからない。だけどすぐにぼんやりしてしまうのは私の特性のようで、未だに週に1度くらいは事件を起こしてしまう。

先日も久しぶりに子供を夫に預け、一人でショッピングに出かけたのはいいけれど、ビルの中に入ろうとしたときに、私はガラスに突っ込むハトのごとく入口脇のガラスに思い切り突っ込んでしまった。ものすごい衝撃と痛みが顔面に走った。周囲にいた人から注目されているのを感じ、すぐに走り去ろうと思ったのだが、なんとビルのガラスにヒビが入っていることに気づいた。私は顔面蒼白になりながら、両親や夫の顔、そしてまだ見ぬビルのオーナーさんの怒り心頭顔が目に浮かび、背筋が凍った。すると中からそのビルに勤める店員さんと思しき人が出てきて、「大丈夫ですか？」と声をかけてくれた。私はすぐさま、「すみませんっ、ガラスにヒビが入ってしまいました！」と白状した。

ところが店員さんは念入りにガラスを調べた後、「ガラスは無事ですけど…」と言って私の眼鏡を指差し「こっちの方が…」と言ったきり黙ってしまった。あれ？もしかして？自分の眼鏡をチェックしてみると、何と見事にメガネのレンズにヒビが入っているではないか。「大丈夫ですか？」と心配してくれる店員さんを後に残し、私は逃げるようにその場から立ち去ったのだった。

ヒビが入っていたのがビルのガラスじゃなくてよかったとホッとしながらも、それにしてもビルのガラスの強度って強いんだなと変な感心をしてしまった。夫のへの言い訳をどうしようと考えつつ、一人悶悶と帰宅したのだった。
参考：兵庫県南部地震における窓ガラスの被害状況調査報告書